WordPress で起きている事件はとてつもなく悲しい
WordPress の共同設立者である Matt と Matt が CEO である Automattic と、WordPress のホスティングサービスを運営している WP Engine が揉めている。
詳しいことは「Automattic と WP Engine の闘争」を見てほしい。よくまとまっているので。
この事件はとてつもなく悲しい。どちらが悪い、とかではなくて、もう少し穏便に進められないのかな、と。
.com と .org がひとつながりであったこと
あくまでも、WordPress.com と WordPress.org は、全くの別の組織であるとされていた。しかし、.org から Advanced Custom Fields プラグインが締め出されたことにより、その “建前” が壊されてしまったことをとても残念に思う。
つまり、 事実上 WordPress.org は Matt がかなり自由にコントロールできる状況にあるということである。それにより、Matt の行動に異議を唱えたいプラグインやテーマの制作サイドは、批判することが難しい状況に置かれている。歯向かえば、テーマやプラグインを奪われてしまうかもしれない。これらでごはんを食べてきた人にとっては、沈黙を貫くしかない。
何よりも、誰も彼の暴走を止められなかったのが深刻
Matt は WordPress の公式 Twitter で批判の域を遙かに超えているツイートを、WordPress のアカウントで投稿を繰り返している。かなり大きな規模の団体であるはずなのに、誰も Matt のツイートを止めることができない。きっと承認フローなんてものは存在しないのだろう。
争いが激化してから、WordPress のアカウントは肯定的な意見を取り上げ、Matt が気持ちよくなるだけのアカウントに成り下がってしまった。
貢献ってなんなのだろう
オープンソースなプロジェクトに出資することだけが意義のあることなのだろうか。コア部分のコードを書くことだけがプロジェクトにとって有益なことなのだろうか。
でも、WordPress がここまで大きくなったのは、膨大に存在するテーマやプラグインのおかげでもあるし、例えば、それはホスティングサービスでも同じことが言えると思う。日本だとワンクリックで WordPress がインストールできるレンタルサーバーが流行ったし、それでかなりの人が WordPress を始めたはずだ。プラグインを乗っ取るということは、このような間接的に WordPress に良い影響を与えている人々を欺くような行為である……。
そしてなによりも WordPress を使う人が居るということ自体が、最大の要因であろう。スマホゲームの重課金者と無課金者の関係性のようなもので、基本プレイ無料のゲームは、課金をしない大多数のユーザーがいないと商売として成り立たない。WordPress を使っている、と発信することが、WordPress 最大の宣伝・広告になる。
はい、このウェブログも、WordPress を使っていますよ！ もちろん Advanced Custom Fields も使っています ❤️
