水たまりは希望を写している

Galaxy の Game Optimizing Service を無効化する

Galaxy には Game Optimizing Service (GOS) というアプリが内蔵されていて、ゲームアプリを最適化する役割がある。例えば、ゲームアプリの解像度を (端末の解像度より) 低くしてフレームレートを向上させたり、温度を監視して端末の加熱を未然に防いだりする。

一見便利そうな機能ではあるが、ネット上では「GOS のせいでゲームがプチフリする」「GOS のせいでフレームレートが低い」「GOS のせいで音ゲーがマトモにできない」などと言われている。

この Game Optimizing Service はシステムアプリなので、簡単には無効化できない。このブログ記事では、特殊なアプリを使って無効化する方法を解説する。

無効化の前に : 注意点

  • 端末の改造に近いので、自己責任
  • 無効化すると Game Booster Plus が使えなくなるので注意
  • ゲーム解像度を 100% にしたいだけの場合は、無効化せずとも Game Booster Plus を導入すれば実現可能

必要なもの

  • Galaxy 本体
  • Android Debug Bridge (ADB) が使えるパソコン
  • パソコンと Galaxy を繋ぐ USB ケーブル
  • CCSWE App Manager (Device Owner)
  • 愛と勇気 (本当に要ります)

Step 1 : CCSWE App Manager (Device Owner) の準備

Google Playストアから CCSWE App Manager (Device Owner) を入手し端末にインストールする。このアプリは特殊なので、インストールしただけでは使えない。前は無料のアプリが使えたらしいけど、Android 11 以降 (非 Root) はこれしか使えないっぽい。

Game Optimizing Service を無効化するには、この CCSWE App Manager をデバイス所有者に指定する必要がある。デバイス所有者に指定するには、まず端末から全てのアカウントを一時的に削除する。また、セキュリティフォルダを使用している場合も一時的に削除する必要がある。セキュリティフォルダがあるままだと、コマンドを実行するときにエラーが出て失敗する (これに気づけず時間を取られた)。

アカウント一覧が空になったことを確認して、 CCSWE App Manager を開く。アプリを開くと、デバイス所有者にするための手順が表示される。開発者向けオプションから USB デバッグを有効化して、パソコンと接続する。Android Debug Bridge (ADB) が使える環境で、以下のコマンドを入力する。

$ adb shell
$ dpm set-device-owner com.ccswe.appmanager.deviceowner/com.ccswe.appmanager.receivers.DeviceAdminReceiver

もしここで java.lang.IllegalStateException が発生するのであれば、まだ端末に消し切れていないアカウントがある可能性がある。もちろん、セキュリティフォルダの無効化も。

コマンドを実行すれば、デバイス所有者の設定は完了する。が、このアプリは有料なので購入の検証が必要。デバイス所有者に指定したあとは、一時的に削除したアカウントを追加し直しても問題ないので、購入に使用した Google アカウント含めログインし直す。するとアクティベーションされて使えるようにある。

Step 2 : Game Optimizing Service の無効化

先ほど使えるようにしたアプリから無効化する。アプリ一覧から、Game Optimizing Service (com.samsung.android.game.gos) を探して、タップしてチェックを入れる。するとそのアプリは無効化される。

Step 3 : 確認

この方法で無効化しても、端末の設定から見えるアプリの詳細画面では、なぜか有効化のままのように見えてしまう。が、実際は無効化されている

無効化した時の表示。

適当にゲームを起動して Game Booster を起動すると、表示される情報が減っていて、ちゃんと Game Optimizing Service が無効化されていることがわかる。

有効化時の表示。

再度有効化すると、元の状態に戻る。

代償 : Game Booster Plus が使えなくなる

注意事項に書いていたように、Game Booster Plus はもちろん使えなくなる。ゲームアプリによっては、端末の解像度と同じ解像度を使うようになって重くなる可能性がある (綺麗な画面で楽しみたい場合はいいのだが)。

ここが気になる : 「このデバイスは組織によって管理されています」

CCSWE App Manager をデバイス所有者に指定すると、端末のロック画面下部に、「このデバイスは組織によって管理されています」と表示される。

――気になる人は気になると思う。

で、無効化の効果は?

違いが分かりませんでした……

そもそもプリコネとウマ娘しかマトモにやっているスマホゲームがなくて、どちらもカクつくときはカクつくので、Game Optimizing Service を切ったことことでそれが改善した感じはない。

どちらかというと、端末が過熱したときの性能低下を阻止する、みたいな意味合いがかなり強いと思う。SoC やバッテリーの寿命削ってまでゲームをハイパフォーマンスで楽しみたいのであれば、この Game Optimizing Service を無効化しても良いと思う。あとはリアルタイムで競技性の高いゲームを遊んでいる場合とか。僕の遊んでいるゲームは比較的じっくりできるものばかりなので、あえて GOS を無効化する意義はないな、と思った。

Game Optimizing Service の無効化でフレームレートが向上するというのは検証動画も上がっているし、間違いじゃないと思う。そこは否定しない。そもそもゲームをヌルサクでやりたいなら iPad Pro 買おう。

ということで、僕は無効化はやめにして、そのまま使うことにした。One UI 3.1 には「ゲーム優先モード」も追加されたし、ちょっとくらいは Galaxy でのゲーミングもマトモになったんじゃないかな。