ATOK for iOS [Professional] がリリース。まだ機能は少ないけど ATOK らしさは健在
11 月 1 日、ついに ATOK のサブスクリプションサービスである「ATOK Passport [プレミアム]」が iOS に対応した。iOS / iPadOS 両対応。App Store からダウンロードできる。
買い切り版 ATOK は、昨日付で Android / iOS 共にサポートを終了した。これに代わってのリリース、ということだろう。実際に iPad にインストールして、使用感を確かめてみる。
セットアップ : ログインするだけ
iOS 版といっても、App Store でライセンスを購入する必要はない。すでに Windows / macOS / Android でサブスクリプション版を使っているのなら、Just アカウントでログインして使用することができる。iOS へのキーボードの追加も、アプリの指示通りに行えば簡単に追加できる。
基本的な機能は問題なし
あとは iOS のキーボード下部にある地球儀マークを何度か押せば、ATOK のキーボードに切り替わる。キーボード配列は iOS 標準を踏襲しており、標準キーボードからの乗り換えもすんなりといけるだろう。カーソル位置を移動させるキーが独立して配置されているが、Android 版 ATOK のようにスライドしてカーソルを移動できないのでちょっと使いづらい1テンキーではできるが、テンキーも微妙に Android 版と挙動が違う。。
タイピングは至って普通。誤タップ訂正は標準キーボードに及ばないものの、流石国産 IM、変換精度は無類である。もちろんインライン入力にも対応している。
iPad でもテンキーを使用することができるので、例えば片手で iPad を持ってフリック入力……という使い方もできる (iPad mini サイズが限界だろうけど)。
ATOK らしさのある設定項目。ちょっと物足りないけど
アプリ内の設定からは、ケータイ入力の無効化やフラワータッチ入力への切り替え、配色や見た目の変更などが行える。
キーボードの位置・サイズをテンキー・QWERTY キー個別に変更させることができる。例えば、ホームボタンのない iPhone / iPad で誤操作を防ぐためにキーボードの位置を上にずらしたり、片手操作のために大きさを変えたりすると良いだろう。
……だけど、設定が変えられるところはこのくらいだけで、Android 版 ATOK にある
- QWERTY 配列のまま数字・記号入力
- フリックガイドの表示・非表示
- フリック感度の変更 (なぜかフラワータッチではできる)
- 候補の表示行数変更
などはない。まだ登場したばかりなのでいずれ実装される可能性はあるだろう。否、実装してください。
クラウド機能は同期だけ。今のところは
今のところ ATOK Sync で使えるのは単語の同期、だけである。ナントカ検索、辞書、推測変換は今のところ未実装。ここら辺が ATOK Passport [プレミアム] の強みなので、iOS でも使えるようになると良いな。逆説的に言えば、まだ買い切り版に毛が生えた程度のレベルなので、急いで Passport 版を契約する必要はない。……と考えることもできる。
iOS の制限がつらい
なんと! iOS の仕様上!! ハードウェアキーボードに ATOK を使えません!!!
ということで、Bluetooth キーボードを接続してタイピングするときは、今まで通り OS 標準の日本語入力が使われる。決してジャストシステムの怠慢じゃない。Apple さんよぉ……頼むからサードパーティキーボードも使えるようにしてくれ。キーボードで使ってこその ATOK だと思うんだけどな。
まとめ : iOS 版 ATOK が化けるのはクラウド機能が強くなってから
先ほど言ったとおり ATOK for iOS [Professional] は買い切り版 ATOK と比べて劇的に変わったわけではない。とりあえず、「サポートを終わらせたから、とりあえずクラウド版にした」くらいのレベル2Adobe CS6 から CC になった、みたいな?だ。……今のところは。
今後 Android 版 ATOK と同じように柔軟に設定項目が増えて、ATOK Sync の各機能に対応していけば、圧倒的に使いやすくて、かしこいキーボード App になるだろう。
なので、そんなに急いで Passport 版を契約する必要はない。例えば iOS 16 で使えなくなったら~とかで良いんじゃないかな。
おまけ : 料金改定されてる件
Windows / macOS / Android オンリーの ATOK ユーザー、とばっちり受けてるじゃないですか……。
- 1テンキーではできるが、テンキーも微妙に Android 版と挙動が違う。
- 2Adobe CS6 から CC になった、みたいな?