水たまりは希望を写している

ニコニコ動画が視聴できる NewPipe のフォーク、PipePipe がすごい

左に「ニコニコ観れる NewPipe のフォークすごすぎだろ!」の文字。右にニコニコ動画のロゴと PipePipe のロゴ。背景にピンク色のハートマーク。

※ (23.6.30 更新) AnimePipe は、PipePipe に改名された。

YouTube を閲覧できるオープンソースな Android アプリとして NewPipe は有名だが、これから派生したアプリ「PipePipe」がすごい。PipePipe は、NewPipe で閲覧できたサービスに加え、ニコニコ動画やビリビリ動画が閲覧できるようになっているGitHub Releases または F-Droid からダウンロードすることができる。

ニコニコ動画がコメント付きで視聴可能。広告はなし

AnimePipe 再生画面のスクリーンショット。タブレット版 UI。左上に再生画面、右に関連動画。

左のドロワーから NicoNico を選択して、ニコニコ動画を観ることができる。ちゃんとコメントも流れる。ニコニコ動画と比較するとコメントの速度が遅くて、フォントもなぜか明朝体 (中華フォント?) なのだが、とりあえずニコニコ動画の雰囲気は上手く再現されている。基本的に画質は一般化会員と同じで、エコノミー画質の時間帯外であれば FHD で 60 fps な動画も再生可能。

バックグランド再生やポップアップ再生も完璧!

AnimePipe のポップアップ再生を行っている最中のスクリーンショット。右下に AnimePipe のポップアップウィンドウ、背景に別のアプリ。

ニコニコ公式アプリではバックグラウンドもポップアップもプレミアム会員でないとできないことだが……。PipePipe ではもちろんそれらもできるように作られている。フォーク元の NewPipe の仕様上、Android 標準のポップアップ表示 (ピクチャーインピクチャー) ではないが、その代わり再生速度の変更やシークバーが使える。

AnimePipe のスクリーンショット。キューに何曲か入っている様子。中央にキュー一覧、右に再生コントローラ、下にシークバー。

動画再生からバックグラウンドに移るときも、シームレスに切り替わる。バックグラウンド再生にすれば、自動的に音声のストリームのみに切り替わるので、モバイル通信でもデータ容量を気にすることなく楽しめる

サードパーティのニコニコ動画プレイヤーで、快適なニコ厨生活を

NewPipe、もとい PipePipe の強みは、様々なサービスの動画・音声をミックスしたプレイリストを作ることができることだ。YouTube またはニコニコ動画でしか公開されていないミュージックビデオをごちゃ混ぜにして連続再生することができる。

いろんな使い方ができるだろう。好きな VOCALOID 曲を集めたり、お気に入りの音 MAD をマイリスト感覚で管理したり、ポップアップ再生でランキング動画を流し見したり……。

アプリの関連付けを PipePipe に変更すれば、ブラウザから直接このアプリを開くようにすることもできる。

ニコニコ中毒者で Android を使っている人なら、一度は試してみてはいかがだろうか。

余談 : 本家 NewPipe のニコニコ動画対応を進めてた時期があった

僕 AioiLight (@aioilight) は、NewPipe にニコニコ動画の実装を作っていた時期があった。ふと休みのときに「ニコニコ動画が NewPipe で観れたらなぁ」と考え、お試し感覚でプログラミングしていた。ある程度動く段階になって NewPipe にプルリクエストを建ててみたが1もちろん、追加が決まったらちゃんとメンテするつもりではいた。、残念ながら NewPipe にニコニコを追加するのは却下されてしまった。多分日本でしか知名度がない故の判断なのだろう。

また、NewPipe にテンプレート通り実装するだけでは、どうしても難しい箇所があり、NewPipe 本体の改変も必要なのが開発初期の段階から分かっていた。ニコニコ動画の動画をストリーミングする際、定期的に HTTP リクエストを送らないといけない決まりがあるのだが2これをハートビートと呼ぶらしい。、これが実装不可能だった。この決まりを守らないと途中でストリーミングが止まってしまうのだ。PipePipe ではしっかりこの仕様に対応し、快適に使えるようになっている

僕が感動したのは、僕が挫折して (したつもりはないけど) ゴミと化したソースコードが、こうやって別のところで生き続けてるということ。感謝感激雨霰……。

  • 1
    もちろん、追加が決まったらちゃんとメンテするつもりではいた。
  • 2
    これをハートビートと呼ぶらしい。

この記事を書いた人

AioiLight

Web とか Android とかをやってる人。アニメ・ゲームが好きなはずなのに消費しきれない毎日。

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