LineageOS 23.0 がリリース! 順当に進化した、Android 16 ベースのカスタム ROM

10 月 11 日、Android のカスタム ROM LineageOS の新しいバージョン 23.0 が正式リリースされた。
Android 16 ベースに。ただし Material 3 Expressive はまだ
メジャーバージョンが上がり、Android 16 ベースとなった。
Android 16 といえば、従来の Material You から進化した Material 3 Expressive が目玉であるが、これは Android 16 QPR 1 からの実装。23.0 とあるように、マイナーバージョンが 0 であることから、QPR 1 ではない初回リリースということが分かる。つまり、LineageOS 23.0 はまだ Material 3 Expressive ではない。
また、残念なことに QPR1 自体のソースコードが公開されていないため、スタート地点にすら立っていない状態である。
ということで、新しいルックアンドフィールは 23.1 以降に「おあずけ」ということになる。
ほかでいうと、ライブアップデートの通知や、タブレット環境の改善、3 ボタンナビゲーションでの予期型「戻る」の実装などがある。詳しくは Android Developers の記事を参照。
標準のアプリが改善
カメラアプリや音楽プレーヤーが改善されており、どんどん実用性が高まっている。
カメラは、RAW での撮影や HDR、RAW と JPEG の同時撮影などが実装された。
音楽アプリでは、再スキャンに再起動が不要になった。また、MIDI 再生もサポートされるようになっているようで、試しに Windows の town.mid を再生してみたら本当に再生された。
特にカメラアプリについては、Pixel 以外のデバイスだとかなり重宝されるであろう。GCam のようなアプリを入れたくないようなユーザーには朗報だ。
そういえば Pixel のソース公開がうんたらかんたら……は?
Android 開発のクローズド化に加えて、Pixel のデバイスツリーも非公開になってしまった。
以前までは他社の Android デバイスに対してここらへんが優遇されていたので、比較的 Pixel シリーズのカスタム ROM は開発されやすい傾向だったが、これからは他のデバイスと変わらない水準になってしまうと考えられる。
また、LineageOS の新リリースが出たのと同じタイミングで Pixel がサポートされるかどうかも、これからは必ずしもそうではなくなる。
例の Pixel の GPU ドライバーの更新も含まれていますよ!
近年の Google Pixel は Snapdragon ではない SoC で、GPU の性能が (Snapdragon と比較して) いまいち、という状況だった。
しかし、ストック ROM では Future Drop で新しい GPU ドライバーが配信され、大幅な GPU 性能アップが行われた。

LineageOS でも 22.2 の段階で GPU ドライバーが更新されていたが、さらに 23.0 ではバージョンが進み、GPU ベンチマークでも数値が上がったことが確認できた。
dumpsys SurfaceFlinger | grep GLESGPU バージョンは、シェル内で上記のコマンドを実行すると分かる (Pixel 8a では r53p0 だった)。
既存の LineageOS からのアップグレードは簡単
LineageOS 22 系からのアップグレードはいつものとおり非常に簡単である。
- ルート化をしているのであれば、事前に新しい起動用イメージにパッチしておく。
- LineageOS 23.0 をサイドロード。
- GApps を入れている場合は、再度リカバリーモードに入り直して、GApps をサイドロード。
- ルート化をしているのであれば、ブートローダーに入って起動用イメージを書き込み。
そうすれば、LineageOS 23.0 にアップグレードできる。