ThinkPad T14 Gen 2 実機レビュー。トラックポイントとディスプレイ以外は満点
ThinkPad T14 Gen 2 を入手したので、実機レビューをする。人生 3 台目の ThinkPad。
購入時のスペック
「ThinkPad T14 Gen 2:プレミアム」ベースに購入。ベースモデルから変更したパーツを太字で表記する。
OS | Windows 10 Home 64bit |
CPU | Intel Core i7-1165G7 |
RAM | 16 GB + 16 GB (32 GB) |
GPU | MX450 |
ストレージ | 512 GB M.2 SSD |
ディスプレイ | 14 インチ / FHD / IPS / 400 nit / タッチ非対応 / 省電力 |
その他オプション | バックライト付き日本語キーボード / 指紋認証 / IR カメラ / LTE 無し / Office 無し |
軽めの動画編集もしたかったので、RAM と GPU を強化した。やっぱり CUDA がないと話にならない。本当は UHD ディスプレイにしたかったんだけど、バッテリーライフと予算の都合上妥協した。
MX450 はこれより廉価なモデルである ThinkPad E14 Gen 2 でも搭載可能。だけど、E14 Gen 2 のは GDDR5 で、本機は GDDR6 なのでこちらの方がより高速に動作するといえる。また、E14 Gen 2 は RAM スロットが 1 つなのでデュアルチャネルができない。良い感じにスペックの差別化が行われている。
ボディ
手が触れる部分はマットな質感で高級感がある。結構重め (1.53kg) の 14 インチではあるけれど、持ち運べないことはないなと思った。天板の光るロゴマークがクールでセクシー。
インタフェース
前買ったノートパソコンが MacBook Air だったので……。それにないものが全部付いている。HDMI も microSD も LAN ケーブルも直接挿せるし、USB Type-A は 2 個もついている。数年前は 3 個以上が当たり前だったけど、何でも無線 or Type-C の今では 2 個で十分だなと思わせてくれる。
インタフェースは十分すぎる。文句なしである。
キーボード
14 インチな ThinkPad は日本語キーボードでも英数字記号部分はすべて同じサイズになる。これは今の X シリーズにはない良さ。
過去にレビューした ThinkPad トラックポイント キーボード II と同じ配列。これと併せれば、デスクトップでもノートでも打ち心地を揃えることができる。本機はバックライト付きモデルのため、キーの表面はツルツルしている (トラックポイント キーボードはザラザラしている)。
やっぱり、ThinkPad だなって感じ。しっとり感があり、打鍵していて楽しい。パームレスト部も熱くならないので、長時間のタイピングに向いている。高級感もある。どれだけ強く叩いても一定の強さで跳ね返ってくる……これが良いんだよな。
UltraNav (トラックポイント / タッチパッド)
※ この節は後日変化する可能性があります。理由は最後の節を参照。更新しました (最後の節を参照)。
ThinkPad 最大の特徴ともいえるトラックポイントは、正直「微妙」である。センサーが変わったためか、急に動かして止めると反動があってその位置に止まらない。前使っていた X230 ではこんなこと起きなかったし、トラックポイント キーボード II でも問題なかった。今の最新機種全部こんな感じなのだろうか……? ともあれ、この挙動はいただけない。とりあえず今はマウスの速度を上げて、急に動かさないようにして対策している。僕みたく数台しか ThinkPad 使ってないユーザーでさえ違和感を覚えるのだから、愛用歴の長いファンなら発狂モノだろう……。
タッチパッドは高精度で、ジェスチャーも完璧に動作する。タッチパッドがいいとされている MacBook と比べると、ちょっと滑りづらいかな? と思うくらいで、ほとんど遜色ないと思う。僕はトラックポイント派なので、これ以上の違いは感じない。
タイピング中、タッチパッドに手が触れて反応してしまうということがありがちだけど、デフォルトでエッジが無効化されているのでこの現象は全く発生しなかった。トラックポイント使いも、タッチパッドは有効のままでいいと思う。
電池持ち (バッテリー)
省電力パネルのためか、割と電池持ちは良い。dGPU を使わない作業であれば、SOT は 5 時間 (高パフォーマンス) ~ 8 時間 (より良いバッテリー) くらいあると思う。電源モードのスライダーを一番右に動かせば、3 時間が限界かな、といったところ。基本家で使うけど、たまに外に持ち出す、みたいなユースケースが一番合っていると思う。元々のスペックが高いので、「より良いバッテリー」にしても、ブラウジングやオフィススイートを使うくらいならモタつきを感じない。
「バッテリー充電のしきい値」というのを設定することで、100 % まで充電することによるバッテリーの劣化を防げて良い。基準値まで充電をすると、バッテリーを使用せずに直接電源から給電するようになるので、基本充電ケーブルを繋ぎっぱなしという使い方も問題ない。100 % から 90 % まで下げるだけでも、だいぶバッテリー劣化を抑えることができると思う。
スピーカー
普通。かつての ThinkPad はボディ下部にスピーカーが付いてて、置く場所によっては音がショボくなる傾向にあったけど、この T14 Gen 2 はキーボードの上に設置されているので安定して音が出る。ビジネス向けとしてエンタメ要素になるスピーカーはおろそかになりがちだけど、この T14 Gen 2 はマトモ。
Dolby Atmos はオフにしような。
ディスプレイ
FHD / IPS / 省電力 のディスプレイを選択。買う前に訊いたところ、NTSC 72 % らしい。つまり sRGB カバー率 100 % と言っても過言ではない (調べてはいないが)。発色はそれなりに良くて、アマチュアレベルの写真・映像編集なら十分実用レベル。4K パネルを選択すれば、より良い性能が期待できる。
視野角は普通。十分に明るい。炎天下でなければ屋外で使うのも現実的。たまに膝に置いて使うので、180 度以上開けるのが強い。
太古の ThinkPad と比べれば、ベゼルも細くなってだいぶイケてるデザインになったけど、下部のベゼルがめっちゃ気になる。いっそのこと、16:10 化してくれればよかったのに。
欲を言えば、FHD と UHD の中間である WQHD が欲しかった。あれば選択していた。Windows デフォルトのスケーリングは 150 % だった。僕的にはそんなに大きくなくて良いので 125 % に変更した。
その他
Windows
プリインストールされている Windows 10 Home は、プリインストールアプリが少なくて好印象。ハードウェアのコンパニオンアプリを除けば、Lenovo がプリインストールしているアプリは「Commercial Vantage」だけである。自分でクリーンインストールすれば済む話ではあるけど、初めからインストールされているアプリが少ないノートパソコンを選びたいのであれば ThinkPad はうってつけだと思う。
カメラ
Windows Hello 対応で画面を開けばすぐにロック解除してスリープから復帰できる。わざわざ指紋リーダーに指を置く必要はない。物理的なカメラシャッターが搭載されているので、プライバシーにも配慮されている。画質は必要十分って感じ。専らビデオ会議用。
ファン
うるさい。
そんなに負荷をかけていなくても回る。でも、冷えなくて製品の寿命が縮んでしまうよりはマシだな。我慢できるレベルではあるんだけど、過去に使ってきた ThinkPad の方が (少なくともアイドル時は) 静かなんだよな……。
電源ボタンの保護フィルム
組み立て時に傷つかないようにするためか、電源ボタンに保護フィルムが貼られている。これを剥がしたいんだけど剥がれねぇ。見た目が気になるだけなので、放置でいいか……。
(追記) 爪でカリカリやってたら取れた。
追記 : トラックポイントの件について
Lenovo に問い合わせたところ、不具合っぽいので引き取り修理になった。改善されると良いな……。トラックポイントの件に併せてファンが回りすぎるのも伝えた。これについては追ってブログ記事にしようかと思っています。
返却された。結果、トラックポイントの挙動は仕様通りらしく、最近の ThinkPad は大体こんな感じらしい。マジかよ……。少し動かし方を変えれば気にならないレベルではあるので、我慢して使うことにした。次 ThinkPad を買うときは改善されているといいなぁ。